「病院で不妊治療を受けているけど、なかなか結果が出ない」
「ホルモン治療はしているけれど、身体が追いついていない気がする」
そんなお悩みを抱えておられることが多いです。
そんなお悩みを抱えている方に、ぜひ知っていただきたいのが「体質改善」の考え方です。
現代医療の不妊治療では、排卵誘発やホルモン調整、体外受精など高度な技術が用いられますが、
それだけでは妊娠が成立しないケースも少なくありません。そこに重要な鍵となるのが、
身体の内側から整えていく「体質改善」です。
体質改善とは何か?
まず「体質改善」とは、文字通り身体の体質=状態を良い方向に変えていくことです。たとえば、以下のような状態は体質の一部です。
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月経不順
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冷え性
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慢性的な肩こりや腰痛
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消化不良や便秘
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睡眠の質が悪い
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情緒が不安定
これらの症状は、単なる「不調」のように見えるかもしれませんが、実は妊娠に必要な土台(基礎体力・ホルモンバランス・血流・自律神経の安定)と深く関係しています。
たとえば、冷えや月経不順は子宮や卵巣の血流不足と関係していることが多く、卵の育ちや着床に影響を与える場合があります。
体質改善が不妊治療に与える5つのメリット
1. 子宮・卵巣の環境を整える
妊娠は「受精卵が子宮内膜に着床し、そこから育っていく」プロセスです。子宮や卵巣に十分な血流が届いていなければ、栄養やホルモンが行き渡らず、卵子の質の低下や着床障害を引き起こします。
体質改善によって血流が良くなり、子宮内膜が厚くふかふかになってくると、着床しやすい環境になります。
2. ホルモンバランスを整える
ホルモンは脳の視床下部→下垂体→卵巣という指令系統でコントロールされています。ストレスや自律神経の乱れによってこの指令がうまく伝わらないと、排卵障害や高プロラクチン血症などにつながることもあります。
食事、睡眠、運動、リラックスなどの体質改善によって、ホルモンバランスが整い自然な排卵や月経が戻ってくることも珍しくありません。
3. 妊娠しやすい体温リズムに近づく
基礎体温がガタガタだったり、低温期が長い、高温期が短いといったパターンは、ホルモンの乱れや冷えが背景にあることが多いです。
体質改善によって、基礎体温が2層に安定しやすくなり、排卵のタイミングもつかみやすくなります。
4. メンタル面の安定
不妊治療中は、どうしても焦りや不安、期待と失望の繰り返しで心が疲れてしまう方が多くいます。
体質改善の中でも、呼吸法や鍼灸、ピラティス、瞑想、カウンセリングなどを取り入れることで、ストレスを緩和し自律神経が整います。
妊娠には「リラックス」も非常に重要なキーワードです。
5. 妊娠の維持と安産にもつながる
妊娠はゴールではなくスタートです。体質がしっかり整っていれば、妊娠後のつわりやトラブルも少なく、流産や早産のリスクも減らすことが期待できます。
具体的にどんな体質改善をすればいいの?
食事の見直し
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冷たいもの、生もの、甘いものを控え、温かく消化の良い食事を中心に
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鉄分、たんぱく質、ビタミンB群を意識的に摂取
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「血を作る」食材(例:レバー、あさり、黒ごま、小松菜、卵など)を活用
運動と姿勢改善
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血流と代謝を促す軽い運動(ウォーキング、ストレッチ、ピラティスなど)
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骨盤周辺の硬さをほぐすことで、子宮周囲の血流が改善
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座りっぱなしを避け、骨盤の歪みを整える習慣づけを
睡眠の質を上げる
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22時〜2時はホルモン分泌のゴールデンタイム
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寝る前のスマホやカフェインを控える
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ぬるめのお風呂やアロマなどで副交感神経を優位に
鍼灸や整体などの補完療法
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東洋医学では「腎(じん)」の力が妊娠力に直結すると考えられています
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鍼灸で気血の巡りを整えたり、骨盤のゆがみを調整することで自然治癒力が高まります
ストレスケア
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趣味や友人との時間を意識的に確保する
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完璧を目指さず、「自分のペースで進んでいる」という安心感を持つ
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深い呼吸やマインドフルネスで今ここに意識を戻す習慣を
医療と体質改善、どちらも大切
以上のように体質改善のための方法は様々あります。鍼灸師という立場でありますが、
鍼灸のみが選択肢であるわけでもなく
必ずしも鍼灸がベストであるとも限りません。
ただ、いずれにしても、簡単なようでいて、意識しないとできないこと。
でも確実に、身体の土台をつくっていく「妊娠力の基礎」になります。
もし今、不妊治療に行き詰まりを感じているなら、ぜひ「体質を整える」という選択肢を視野に入れてみてください。
あなたの身体は、必ず変わる力を持っています。